第7回 聖なる泉と聖杯
March 2011
雑誌、テレビ、ラジオなど幅広いメデイアで活躍する鏡リュウジさん。占星術をイギリスで学び、毎年渡英している鏡さんがイギリスの魅力を紹介!
前回、お話したのはイギリス最大の聖地・グラストンベリー。
そのグラストンベリーのもうひとつのミステリーが「聖杯伝説」です。

中世ヨーロッパの伝説のひとつで、イエス・キリストが最後の晩餐で用い、そしてイエスが磔刑にあったときに、その血を受けたといわれとされる聖なる器のこと。 この杯には人類を救う力があるとされていましたが、その行方がわからず、中世の伝説ではイギリスを統一した幻の王であるアーサー王とその騎士たちが捜し求めたということになっています。 ヨーロッパでの大きな文学的教養のもといえば、ひとつはもちろん、聖書、もうひとつはギリシャ・ローマ神話、そしてもうひとつが、聖杯伝説と深くかかわるアーサー王と騎士の物語だといえば、その存在の大きさはおわかりになるでしょうか。映画でも「インデイ・ジョーンズ」や「ダビンチ・コード」では聖杯が大きな主題となっています。
「信じる・信じないはあなた次第」的な都市伝説レベルの話ではありますが、あのナチスもまた、聖杯を探し求めていたという噂もあるくらい。 さて、その聖杯、伝説によるとこのグラストンベリーに安置されていたというのです。 イエスの磔刑後、その聖杯を手にしたのがアリマタヤのヨセフという聖者でした。
その聖者は西へ、西へと旅を続けます。そして海を渡り、今のブリテンであるイギリスにまで到達し、ついにグラストンベリーへとやってきました。
持っていたのは、サンザシの木でできた杖。疲れた聖者がその杖を大地に突き刺すと、その杖から根が張り、また生きた木になったとか。
その樹木の末裔が、いまでもこのグラストンベリーに残り、クリスマスのころには白い花を咲かせると伝説はいいます。
その花はクリスマスのときに、女王のもとに届けられるとか。

さて、その聖杯はグラストンベリーの地に隠されましたが、そこからはいまでもこんこんと水がわき出ているといわれています。
そこの水をたたえる井戸が「チャリス・ウエル」(杯の井戸)。
その井戸の周囲はいまでは私的なイングリッシュガーデンになっていて、入場料を払って入るようになっているのですが、そこでは
精神のやすらぎをもとめる人々が集い、瞑想などをしています。
一説にはかのジョン・レノンもこの井戸のそばであの「イマジン」を作ったのだとか。(いまだぼくはその真偽のほどは確認しておりませんが…。)
聖杯の井戸のシンボルはなかなか秀逸で、二つの円が重なったもの。その円の交わりがつくる図形はまるで魚の胴体のよう。
古代キリスト教では魚はキリストのシンボルでしたから、これは弾圧されていた時代のキリスト教のシンボルでもあり、また、二つの世界の交わるところ、という意味もあるといわれています。

この井戸からわき出す水は、味わってみると、なんとちょっと血のような味がします。
水が流れるところは赤く染まっているようにも見えます。「血」のイメージがあるのですが、実はこれは鉄分が多いせい。
不思議なことに、ガーデンの外にある小道では、その道をはさんでこの「赤い水」と普通の軟水である「白い水」が両方湧きだしています。
男性原理と女性原理がここにあるのだという人も。 面白いですね。
ところで、このようにいってくると、聖杯はまるでキリスト教だけのもののように思われますが、実はそうではありません。
聖杯のイメージの背後には、すべての人を再生させるというケルト神話の大釜(コルドロン)があり、アーサー王伝説の騎士たちは実は、キリスト教化された、ケルト神話の神々だともいわれています。のちには大釜のイメージは魔女の大釜にもなっていきますし、
さらにそのイメージの背後には、生命をはぐくむ容器である子宮、さらには死を受け入れる墓のイメージもあるとされます。
また、死と生をつかさどる、変容の器である錬金術のイメージもそこにある、というふうにいわれているのです。

またグラストンベリーには、たくさんのミステリーショップがありますが、なかでもお勧めは、いろいろなインセンス(お香)やエッセンシャルオイルを製造、販売している老舗「スターチャイルド」。惑星や星座の名前のキャンドルや魔法の儀式に使うもの、またその名も「グラストンベリー」だとか、アーサー王伝説の名前のついたお香などが売られています。
またゴシック・イメージという書店も老舗。出版社もかねている精神世界や神話専門の書店です。
一度訪ねてみてはいかがでしょうか。
なお、前回もお話しましたがこのグラストンベリー、さらにその先のコーンウオールへの旅を企画中です。
詳しくはこちら。
みなさん、ぜひこぞって参加を。
★チャリスウェル:
http://www.chalicewell.org.uk/index.cfm/glastonbury/Workshops.Home
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鏡リュウジ氏が語る!占星術の都・イギリスの魅力と世界遺産とパワースポット >
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日時:4/6(水) 19:00~(18:30受付開始)
場所:デジタルハリウッドお茶の水本校
※住所:千代田区神田駿河台2-3 DH2001 Bldg.
※アクセス:「JR/御茶ノ水駅 御茶ノ水橋口」 / 「丸ノ内線/御茶ノ水駅」 / 「千代田線/新御茶ノ水駅」から徒歩2分。
ゲスト:鏡リュウジ氏(占星術研究家・翻訳家)
定員:100名(先着順受付/定員終了次第にて受付終了します)
▼お申し込みはTトラベルのウェブサイトまで。
http://ttravel.jp/
鏡リュウジ
カガミ リュウジ
占星術研究家・翻訳家。
国際基督教大学卒業、同大学院修士課程修了(比較文化)。
雑誌、テレビ、ラジオなど幅広いメデイアで活躍、とくに占星術、占いにたいしての心理学的アプローチを日本に紹介、幅広い層から圧倒的な支持を受け、従来の『占い』のイメージを一新する。
英国占星術協会、英国職業占星術協会会員。
日本トランスパーソナル学会理事。
平安女学院大学客員教授。
1968年3月2日生まれ。
★鏡リュウジ公式サイト
http://ryuji.tv/